パーティクルフィルタ研究会 本文へジャンプ
目指すもの


パーティクルフィルタ研究会の目指すもの


きっかけは「パーティクルフィルタ」

状態空間モデルと逐次ベイズ状態推定に基づくモデリングと推定手法を中心とした,様々な課題におけるモデリングやマルチメディア信号処理などの理論及び応用課題を研究の主たる対象とし,これらに関する活発な議論を通じて異分野の研究者間の交流を図り,関連する様々な研究分野の活性化を目指します.

例えば,自律ロボットをより実用的にする研究が現在盛んですが,現時点では,動物程度に知的な動作のできるロボットは完成されていません.犬や猫の形をしたロボットが開発されてはいますが,実際の犬猫には遠く及びません.ましてや,人間のように,自動車の運転ができたりするロボットも,まだ出来てはいません.

自律ロボットが参照可能なのは,現在までの全データです.未来のデータは参照できません.現在までの全データを最大限に活用して,目前のタスクを即座に実行しなければなりません.それを上手に行うには,本質的な「状態」を,現在までの全データから最も良く推定する必要があります.状態を推定することは,現在時刻近辺のセンサ信号を適当に加工する事とは,基本的に異なります.センサの信号を適当に加工しているだけでは決して成しえない,高度な機能が,状態推定に基づけば実施できるようになります.

ただし,「パーティクルフィルタ」だけで全てが遂行できる訳では,必ずしもありません.しかし,現在までの全データが与えられた下での現在の状態を推定するのに,最も柔軟で有望な方法の一つが,この「パーティクルフィルタ」なのです.より広くは「逐次モンテカルロ法」,更に広くは「状態空間モデルと状態推定」というアプローチが,自律ロボットをはじめとする高度な課題解決に必須の道具となっています.これに更に,様々な高度な方法論を加えることで,高度な課題の解決への道が開けるようになります.

パーティクルフィルタが,このような高度な課題への解決の糸口を見い出す『きっかけ』となれば幸いです.





   更新:2012年7月5日